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2012年4月

2012年4月29日 (日)

草刈り鎌(sickle work)

草刈り鎌(sickle work)

Time-stamp: "Tue Sep 20 08:15:47 JST 2011"

草を刈る鎌の使い方を説明した記事は少ない。日常的に鎌を使っている人は 無意識のうちに使っている。説明してくれといっても怪訝な顔するだけだろ う。特別なことはない。草を刈り取ればよいのだ。やってみなさいという。 いざ刈り始めるとそれを見て色々と文句を付ける。他人が鎌を使うのを見 て、こうしたほうがよいとは言う。しかし、作業を始める前に順序だててこ うしたほうがよいとは言わない。他人のするのを見て自分の動きと重ね合わ せることでようやく違いに気付くようである。口やかましく言われると最初 からそれを先に言ってくれればよいのにと思う。何か意地悪されているよう に思える。

鎌の使い方などの当たり前なことを発信する人は少ない。本には細かいこと が書かれてない。探せばあるかもしれないが探し出すまでに時間がかかる。 本は現物を手に取ってパラパラとページをめくってみないと疑問の答があり そうな気配を感じることができない。エイヤッで買って読み込むしかない。 知りたいことは本の1ページに満たないもので他の部分は当座のところ必要 ないとなると勿体ない気がする。こういう些細な漠然としたことを調べるに はインターネットが便利である。運がよければ知りたいことがその場で解決 する。

些細なことをネット上に発信するのは何かを始めて間がない初心者が多い。 何かがうまく出来たことが嬉しくて言い触らしたくなるのである。この記事 もその筋のものである。時間が経つと公開しなきゃよかったと思うだろう。 そう思いながらも同じ内容の二本目を書いたりしている。年取ると面の皮 (つらのかわ)が厚くなる。ネット検索しても、こまごまと書いた記事が見つ からない。仕方がないので我流を書くことにする。

物事を説明するのが上手なのは、同じことを繰返してしゃべることを職業と する先生である。何回も相手を換えて同じ内容を教えることで何処が伝わり にくいか、誤解されるかを生徒から学びとっている。逆に生徒から教えられ ることもある。そういう人がネット上に発信してくれるのが理想だけれど彼 らの目線はもはや足元にはないようで我々にとっては深遠なことの方に注が れている。つまるところ初心のころが一番おもしろくて、ついつい、しゃべ りたくなるのである。初心者のたわごとを無視してはいけない。それをもと にして自分なりの方法に改良する。あるいは、まったく違った新しい方法に 行き着くための反面教師とすることができる。

定年退職してから家周りの草刈りをするようになる。今までは一年に二、三 度くらいしか鎌を使ったことがない。それも町内会の一斉清掃(農業用水路 とか)の毎回三十分くらいでしかない。草を刈る格好(作業服で鎌を持つ)で あたりをウロウロしているうちに手慣れた人がサッサと片付けてくれてなん となく終わるという不真面目なものである。左手で掴んだ草を右手に持つ鎌 でどのように刈ったらよいか(怪我なしの能率的)なんて考える間もなく終わ る。

一人で家の周りを刈るには結構と時間がかかる。昨年はエンジン刈り払い機 を使った。機械では、凸凹した地面とか縁石や杭などがあると刈りにくい。 また、草丈が長すぎても短かすぎても使いにくい。そこで今年は鎌を主に使 い、草の伸びが早すぎて追い付かないとかカンカン照りの日に素早く済ませ たいときだけ機械を使うことにする。いちばんの大事は右手に持った鎌の刃 で草を支える(握る)左手を傷付けないことにある。怪我したのでは傷が治る まで草刈りする気にならない。能率をはかるより怪我しない用心を考えなけ ればならない。

草を握る左手を鎌の刃で傷付けないようにするには鎌の刃が動く平面(実際 はわずかな曲りの曲面)に左手(指先)が入らないようにすることである。鎌 の刃は草の根元である地面に沿わせて(地面を削り取るように)動かす。そこ で左手の下端(指先)が地面に触れることないように地面から浮かした位置で 草をつかむ。

これだけではものの弾み(草の間にある石ころで鎌が浮き上がることがあっ たりする)で左手が鎌の刃の運動面に入るおそれがある。そこでどうする か。右手で鎌を手前に引き寄せるとき草をつかむ左手を同時に手前へ引くよ うにする。草が鎌の刃で切れる前に引くと草むしりになる。草が切れた後で 左手を動かすことになるが微妙な時間差を意識することなく右手の鎌と同時 に左手の草を手前に引けばよい。

鎌の刃の運動面より高い位置にある平行な曲面上を左手の下端(指先)が動く ようにすること、そして鎌の刃先と左手指先のそれぞれの平行運動二面への 串刺し位置が近付かないようにすることである。もし刃先と指先が接触した としても両者が同時に同じ方向に動いており速度差がないのでひどく傷付く ことはない。要は刃先と指先が交差しない動きをこころがけることである。

稲刈りは腰を屈めた中腰でするのに対して、低い草丈の草刈りはしゃがみ込 んでする。地面に立てた杭を握るとき、杭が背丈より高くて直立姿勢で握る ときは親指を上にした手の甲を外側にする向き(順手と呼ぶことにする)で握 る。杭が低くて腰を屈めて握るときは親指を下にする(逆手)ほうが握りやす い。

しゃがみ込んだ草刈りではもっぱら逆手の左手で草を掴んでいる。草を掴む 左手の人差し指、中指、親指が地面に近い。鎌の刃で傷付くのはこれらの指 先になる。一応、軍手をはめているがこれら三本の指先部分の軍手は擦り切 れており指先は露出している。剥き出しの指先を傷付ける怖さからより慎重 になる。指先の無防備を注意力でカヴァーしている。そのぶん無理をしない ようである。極太な草に対して鎌を強く引くときは安全を確かめながらゆっ くり動かすようにする。

刃物でものを切るには引き切り、押し切り、圧し切り(へしきり、おしきり) の三つがある。引き切りは刺身包丁とか日本の鋸のように手前に引きながら 切る。押し切りとは大根などの野菜の切り方で、刃先を押し付けながら前方 向にずらす。刺身包丁を長く手前に引くに対して、押し切りは目立つほど前 に動かさない。見掛けは刃先を押しつけているだけのように見える。刺身は 包丁の自重だけでよいが、大根には刃を押しつける力が要る。圧し切り(へ しきり)は剃刀を使うときのように発毛の根元に刃先を押し付けるだけで刃 の長さ方向に刃を動かさない切り方である。

「押し切り」と聞いて最初に思い浮んだのは稲藁を切る道具であった。長い 稲藁を細かく切り刻むに使う。刃を無理矢理に藁束へ押し付けて切る。これ が押し切りの意味だ思っていた。包丁関連の記事で刺身包丁の引き切りの反 対に刃を斜め前方向に押し出すように切るを押し切りというのだと知る。刺 身包丁を滑らす長さに比べればはるかに短かいが刃を押し付けながら前方向 に動かすように大根を切っていると思いあたる。

稲藁を切る押し切りは実際のところ圧し切り(へしきり)である。「圧」には 押すという意味があるので圧し切りを「おしきり」と読んでもよい。そのま までは読めない(読みにくい)ので「押し」の文字を使うのだろう。「圧し」 を「へし」と読むことは知らなかった。

やわらかい草であれば鎌の刃先を押し付けるだけで切れる。剃刀の圧し切り に近い。鎌の使い勝手から鎌の刃を鋸のようにゴシゴシ前後に動かすことは できない。出来るとしたら引き切りしかない。持ち柄の直角方向へ鎌を動か すのでは圧し力が入らない。やりやすいのは右手に持った鎌の持ち柄を時計 周り方向に回り込ませるように動かすことである。実際の移動角度はほんの 五度から十度くらいのクイッとスナップ(手首の動き)を効かせる気持ちであ る。刃が回転することで引き切り効果が出る。

稲刈りに使う鋸鎌はその名前の通りに鋸のような刃である。しかも、刃の長 さ方向の形がJの字形で曲りの内側が鋸刃になっている。同じような形の 「なぎなた」は刃の曲りの外側が刃になっている。稲株の根元に鋸鎌の刃元 を押し当てながら手前に引けば引き切り気味になる。草に比べて乾燥した稲 株は木ほどではないが少しばかり硬いので鋸刃のほうがよく切れる。

刃物は刃幅(刃渡り、刃の長さ)の方向に押したり引いたりするとよく切れ る。ただし、剃刀は発毛の根元に当てて圧し切りする。もし刃の長さ方向に 動かすと皮膚を切ってしまう。刃物が切れにくいときは刃の長さ方向に押し たり引いたりする。そうすることで刃先の鋭さが見掛け上(だけでなく実際 に)より鋭角になるからである。次の説明が分かりやすい。

引いて切った方が、厚みが薄い包丁で切ったと同じになるため、良く切れる のです。これはどの刃物でも当てはまることなのですが、押すより引いたほ うがやり易いので引きます。
なぜ厚みが薄い包丁で切った事になるかの説明をします。包丁などの刃物は 基本的にV字状の形をしています。(刃先が細く包丁の背に向かって厚みが 増し、V字状の断面になっています。)
切る位置に印をつけて、包丁を入れたとします。包丁を真下に押して切った としますと、印をした位置はV字状の先から垂直に上に移動します。この移 動した印の位置を切って断面を見たとすれば、包丁のV字型そのままの角度 になります。
これに対し、包丁を引いて切ったとします。この時の切る為に示した印の位 置の移動を見てみると、刃先から斜めに包丁の刃先の方に延びた直線になり ます。この線に沿って包丁を切ったとするとその断面の形はV字状ですが垂 直の時よりVの形が細く長くなります。細くなったということは、包丁の厚 みが薄い包丁で切ったと言う事になります。だから良く切れるようになった のです。(「刃の厚みが薄いかみそりで切ったように」と言う意味です。)

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